建て替えによる引っ越しや、リフォームに伴う引っ越しは、引越し業者が提供している『建替パック』を利用した方が引っ越し費用を抑えることができます。
今回は料金相場や注意点など、建て替え引越しに伴う情報を詳しく取り上げていきます。
建て替えに伴う引越しをスムーズに行うためには、大きく分けると3つのポイントがあります。以下で詳しく取り上げていくことにしましょう。
実際に探してみるとよく分かりますが、建て替え時の仮住まい探しにはかなりの手間と時間が掛ります。初期費用が安いマンスリーマンションなどを利用する方がいますが、月々の家賃が高いためあまりお勧めできません。
また、短期間のみ賃貸契約できる物件は、なかなか見つからないのが現状です。ここにペットが加わると、尚更見つからないといった事態が発生します。そのため、仮住まいはどんなに遅くとも引越しの1ヶ月前から探し始め、早めに決めるようにしましょう。
建替えに伴う引越しは、2度行います。1度目は建替え前の自宅から荷物の保管場所・仮住まいまでの引越し。2度目は、荷物の保管場所・仮住まいから建替え後の自宅までの引越しです。
多くの場合、不要な荷物は処分し、仮住まいに入りきらない荷物を保管倉庫に預けます。不要品の選別には時間が掛かるため、スムーズに建て替え引越しを行うためにも、早い段階から預ける荷物と不要品を分けておき、すぐに処分できるように準備することをお勧めします。
引っ越し費用を節約するために、自らトランクルームやレンタル収納スペースを借りる方がいます。しかし、引っ越し業者へすべての作業を依頼した場合と比較すると、手間が掛かってしまうものです。
トランクルームサービスで有名なキュラーズのように、引っ越し業者と提携しているケースもありますが、あくまでも荷物の運搬と搬入搬出を手伝うのみとなっています。通常の引越しサービスは提供していないのです。
また、格安でトラックの運転やお手伝いを依頼することは可能ですが、料金体系が時間制となっており、家具や家電の設置、建物への養生のサービスなどは提供していません。
結果的に、ほとんどの引っ越し作業を自ら行わなければならず、引越しが完了するまでにかなりの時間を要します。以上のことから、スムーズに引越しを行いたいのであれば、トランクルームやレンタル収納スペースを利用することは避けた方が無難です。
建て替え引越しを行う際、注意したいことがいくつかあります。代表的な注意点を以下にまとめました。参考にしてください。
不要品処分のタイミングは、処分方法によって若干異なります。処分方法は大きく分けると3つあり、『引越し業者へ依頼する方法』、『地方自治体の不要品処分サービスを利用する方法』、『リサイクルショップへの買取依頼、もしくは不要品回収業者を利用する方法』の中から選択します。
引越し業者へ依頼するのであれば、処分するタイミングは引越し当日や前日。地方自治体のサービスを利用する場合は、自治体のスケジュールに合わせて処分しなければなりません。
リサイクルショップへの買取依頼、不要品回収業者を利用する場合は、自分でタイミングを決めて処分します。ギリギリになってから処分しようと思っても、思いの外時間がかかるものです。そのため、不要品処分はできるだけ早めに行っておきましょう。
荷物を保管倉庫やトランクルームへ預けた後、荷物の出し入れができる場合とできない場合があります。また、出し入れが可能であったとしても、手続きや手間、費用が掛るものです。
そのため、頻繁に使用する荷物は、仮住まいへ持って行くようにしましょう。何を持って行けば良いか分からない場合は、引越し業者へ相談するとアドバイスして貰えることがあります。
うっかり忘れてしまいがちなのが、郵便物の転送届を出しておくことです。建替えの場合、郵便物は今まで通り自宅へ郵送されますが、仮住まいから毎回取りに行くことは面倒臭いものです。
そのため、建て替えで仮住まいへ引越しをする前に、郵便物の転送届を出しておきましょう。引越し日の1週間前に手続きを済ませておけば、郵便物をスムーズに転送してもらうことができます。
一言でトランクルーム、保管倉庫といっても、環境が全く異なります。空調設備・湿度調整など、荷物が痛まないように整っている環境もあれば、コンテナのように全く環境が整っていないケースもあるのです。
数ヶ月に亘って荷物を預けることになる場合、保管環境は非常に重要となります。そのため、事前に保管場所の環境について確認しておきましょう。また、すべての家財道具を預けることができるわけではありません。
保管環境によっては、保管することができない荷物が指定されているケースがあります。たとえば、ヤマトホームコンビニエンスが提供している建て替え引っ越しパックの場合、以下の荷物を預けることができません。見積り依頼時に必ず詳細を確認してください。
建て替えの引越しで荷物預かりを希望する際、荷物の保管期間を予測した上で契約をします。一般的に建て替え工事完了までには5ヶ月程度掛りますので、余裕を持って契約期間を決めるようにしましょう。
また、引っ越し業者に荷物預かりを依頼する場合、最大保管期間が決まっているケースがあります。そのため、『延長料金はどのくらいかかるのか』、『延長可能期間は最大何ヶ月までなのか』見積り依頼時に確認しておきましょう。
そうすることで、万が一、建て替え工事が遅延し、荷物の保管期間を延長することになったとしても、冷静に対応することができます。
前項でも触れましたが戸建の建て替えを行う場合、必ず荷物を保管しなければなりません。また、建て替え前の自宅から仮住まい・保管倉庫までの引越しと、仮住まい・保管倉庫から建て替え後の引越しが必須となるため、計2回の引越しを行います。
その都度、引越し業者と契約をして引っ越し作業を依頼することもできますが、2回分の引越し料金が掛る他、毎回見積りを依頼したり状況を説明することは面倒臭いものです。
また、荷物を保管できる場所はいくつかあるものの、契約、荷物の運搬・搬出入のことまで対応しようとすると膨大な時間と手間が掛ります。
建て替え引越しの多くは、市内の近距離引越しとなることから、引越し料金そのものはそこまで高額になることはありません。手間、時間、トータルコストを考えながら、最適な引越し方法を事前に把握しておくことが重要となるのです。
建替パックとは、『リフォーム、戸建の建て替えに伴う引越し専用サービス』のことを指しています。名の知れた大手引越し業者であれば、大抵どこでも提供しているサービスです。
地域密着型の引っ越し業者でも、建替パックを扱っているケースはあるものの、荷物を保管する環境が劣悪だったりするため、利用時はサービス品質を確認した方が安心できます。
引っ越し業者ごとで、建替パックのサービス内容が大きく異なることはありません。基本的に、『建て替え前の自宅から仮住まいと保管倉庫までの引越し』、『荷物一時保管』、『仮住まいと保管倉庫から建て替え後の自宅までの引越し』がセットとなっています。
荷造り・荷解き、電気工事関連などのオプションサービスは、追加料金を支払うことで利用が可能です。尚、引っ越し業者によっては、仮住まいの手配や不要品引き取りなど、独自のサービスを提供していることもあります。
オプションサービスを利用すると、建て替え引っ越しの費用は高くなりますが、できるだけ手間を掛けずに引越しを終わらせたい方に最適です。
この項では、建替パック利用時のサービスの流れについて解説していきます。引っ越し業者によって内容が異なることもありますが、おおよそ同じだと考えて問題ありません。
以下の表にまとめましたので参考にしてください。
①見積り | 3社から4社へ見積もりを依頼します。 | ||||||
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②打ち合わせ | 建て替えスケジュールを基に、引越しスケジュール、荷物保管スケジュールを決定します。 | ||||||
③荷造り | 保管する荷物、仮住まいへ運ぶ荷物、不要品の3パターンに分けながら荷造りをします。 | ||||||
④不要品引き取り・処分 | 引っ越し業者へ、不要品引き取り・処分を依頼した場合、引っ越し当日もしくは前日辺りに作業を行います。 自ら対応する場合は、荷造りをしながら並行して不要品処分を行いましょう。 |
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⑤建替前の自宅から 保管庫・仮住まいへの輸送 | 建替前の自宅から荷物を搬出し、保管庫、仮住まいへ輸送・搬入します。 | ||||||
⑥家財保管 | 家財道具を一定期間保管して貰います。出し入れ可否は見積り依頼時に確認してください。 | ||||||
⑦保管庫・仮住まいから 建替後の自宅へ輸送 | 建替工事完了後、保管後・仮住まいから建替後の自宅へ荷物を輸送します。 | ||||||
⑧搬入・設置 | 家財道具の搬入、設置を行います。 | ||||||
⑨家財道具配置 | 大型家具、家電の設置を行います。 | ||||||
⑩資材引き取り | 引越しで使用した資材を引き取ってもらいます。 (有料対応となる可能性あり) |
それでは最後に、建替えパックを提供している引っ越し業者5社の、サービス内容、建て替え引っ越しパック料金の相場についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
尚、引越しで建て替えパックを利用した際の費用ですが、そもそも建替パックを利用する顧客の総数が多くはないため、相場を出すことが困難でした。リサーチした結果、実際に利用した方の情報を見つけましたので、事例の1つとして参考にしてください。
建替引越パック
荷物量の制限はありません。保管期限は5ヶ月以内です。延長を希望する際は、別途相談してください。
※保管できない荷物があります。以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
不要な家財度具を引き取ってもらうことができます。
使用済みの資材の引き取り、大型家電家具の配置換えに対応しています。尚、入居後3ヶ月以内であれば、新居の家財配置換えは何度でも依頼可能です。
建て替え前の総家財量(回収する不要品も含む)、建て替え前の自宅から仮住まいまでの距離で算出されます。
ミサワホーム、三井ホーム、住友林業、セキスイハイムなど、提携しているハウスメーカーを利用して建替をした場合、引越基本料金が安くなります。詳細は、見積り依頼時に相談してください。
・荷造り、荷解きは別途料金が掛ります。
・保管庫からの荷物の出し入れは有料対応です。
・洗濯機、冷蔵庫、冷凍庫、ブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマテレビ、エアコン、衣類乾燥機の引き取りには、家電リサイクル券の貼付が必須です。パソコンの引き取りは行っていません。
引っ越し時期:6月上旬(土日)
引越し時間帯:午前中
家族人数:4人家族(子ども1名含む)
自宅から仮住まいまでの距離:10km前後
引越し料金:32万円
アート引越センターでは、建替パックを提供していません。通常の引越しサービスと、オプションサービスである『トランクルームサービス』を組み合わせることで、建替え引越しに対応しています。
地域・引越し時期によって、トランクルームサービスを利用することができないケースがあるため、事前に相談する必要があります。また、トランクルームサービスの詳細は、公式ホームページ上で案内されていませんでした。見積り依頼時に確認してください。
引っ越し時期:5月上旬(平日)
引越し時間帯:午前中
家族人数:6人家族(子ども2名含む)
自宅から仮住まいまでの距離:15km以内
引越し料金:20万円
建て替えコース
建て替え・リフォーム・増築に伴う、引越しや荷物保管に対応したサービスです。あくまでも、自宅と仮住まいを往復する引越しに対応しているため、以下のケースでは利用でません。
たとえば、海外転勤のため一定期間荷物を預かってほしい場合、新居が決まるまで荷物を預かってほしい場合、転居は決まっているものの新居の住所が決まっておらず、一定期間荷物を預かってほしい場合などです。
上記のようなケースで一時的な荷物保管を希望するのであれば、通常の引越しプランを利用し、自ら契約したトランクルームへの移動・搬出を依頼する流れとなります。
ちなみに、サカイ引越センターでは、資材の回収が有料です。1回の回収につき1,000円(税別)となっています。3/15から4/15までの繁忙期は、資材回収をしてもらうことができません。
引っ越し時期:1月上旬(平日)
引越し時間帯:午前中
家族人数:4人家族(子ども2名含む)
自宅から仮住まいまでの距離:50km以内
引越し料金:8万円
アート引越センターと同様、建替パックに該当するサービスは提供していません。しかし、『お荷物の一時保管』サービスと通常の引越しサービスを併用することで、建替え引越しに対応しています。
公式ホームページ上で紹介されていた、『お荷物の一時保管』サービスの内容は以下の通りです。
1ヶ月未満の短期利用も可能ですが、建て替えに伴う荷物保管は長期利用となることがほとんどです。家財の梱包、輸送まですべてお任せすることができます。荷物の最大保管期限は、案内がありませんでした。
利用するトランクルームは、国土交通省が認定しているトランクルームです。温度、湿度、セキュリティー対策が万全なため、安心して利用することができます。ただし、荷物を頻繁に出し入れすることができません。
事前連絡が必須となる他、出入庫・配送料金がその都度掛ります。
引っ越し時期:3月上旬(土日)
引越し時間帯:午前中
家族人数:4名(子ども2名含む)
自宅から仮住まいまでの距離:30km以下
引越し料金:20万円
建て替えプラン
自宅と仮住まいを往復する2度の引越し、荷物保管に対応した専用プランです。ダンボール最大50箱無料、布団袋最大2枚無料、ハンガーBOX最大5個無料レンタルの特典付きとなっています。使用済み資材の回収は無料です。
また、毎月1日から20日の間に引越しを依頼すると、特別割引が適用されるため大変お得です。日本各地の営業所に、保管倉庫を備えているとのことですが、環境設備に関しては詳しく案内されていません。
預けることができない荷物の内容と併せて、事前に確認してください。
引っ越し時期:11月中旬(平日)
引越し時間帯:午前中
家族人数:6名
自宅から仮住まいまでの距離:15km以下
引越し料金:30万円